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さ行

作打ち(さくうち)【作】

作画打ち合わせの略。

演出、時には作画監督が立ち会い、原画マンにコンテに沿って担当の作画部分の演出方針などを伝える為の打ち合わせ。

撮影(さつえい)【撮】

タイムシートの指示に従い、動画と背景を合成し、動画映像にする。

カメラワーク等の撮影効果もこの作業で加えていく。 セルフィルムは、セルや背景を撮影台に設置し、一コマづつカメラで撮影する。

現在では、ほぼデジタル撮影の為、パソコン上でデータを合成し、カメラで撮影できなかった効果も入れられるようになった。

逆にデータとなったため、データの解像度、画像サイズ、出力サイズ、出力フレーム、出力形式など多種多様なデータ形式が求められるようになっている。

フィルム撮影と区別するためか、「デジタル撮影」と言う場合もあり、合成という意味で「コンポジット」と表記するスタジオもある。

撮影台(さつえいだい)【撮】

セルアニメーションの撮影用に特別に作られた撮影機材。

セルや背景を動かす為の滑車がついた台があり、その上にセルを押さえるガラス板がある。

カメラは上部に下向きにつけられ、台に固定した絵素材を入れ替えながら、1コマ1コマ撮影していく。

現在はほぼデジタル撮影のため、作業しているパソコンのことを指して言う場合もある。

作監(さっかん)【作】

作画監督の略。

原画マンが描いてきた作画に関して、キャラクターの表情、頭身、動き、芝居をチェックする。

本来、キャラクターの統一を目的として誕生したが、現在ではトータル的に作画に関してすべてを見る。

作品によっては更にキャラクターを統一すべく、総作監という役職もある。

撮出し(さつだし)【演】

撮影出しの略。

仕上げまで終了したカットと背景とをあわせ、撮影に渡す前に演出がする最終チェック。

セル、フレームなどの素材抜け、背景におけるフレーム位置を決め込んだりする。

場合によっては演出助手がつとめることもある。

近年のデジタル化により、ある程度撮影に自由が利くようになったためか、その作業もなくなりつつある。

サブリミナル

白コマ・黒コマのように、視覚で見えるか見えないかの1コマ2コマの画面に全く別の画像を差し込むこと。(フレアなど)

仕上げ(しあげ)【仕】

彩色、T.P(トレス・ペイント)を総称して呼ぶ。

1.動画をスキャナーで取り込む。

2.取り込んだ線データを補正する。

3.ペイントソフトでデータの指定表にそって彩色していく。

セルフィルムとアニメカラーを使用する場合は、

1.動画の主線をトレスマシーンでセルに転写させる。

2.ペン(Gペン、かぶらペンなど)で色トレス線をセルの表からトレス。

3.裏側から彩色絵の具で色指定表にそって色を塗る。

4.乾かす。

という作業になる。

シート

セルの順番や、タイミング、カメラワークなどを記入した紙。

カットの設計図。

sheet.jpg(一例)

シーン

一連の場面のいくつかのカットが集まったもの。

色彩設計・色彩設定(しきさいせっけい・しきさいせってい)

一作品全体の色を決定し、その責任者。

主要キャラの色指定表、その場所時間によって変化する色(夕日色・洞窟色など)を設定していく。

下タップ(したたっぷ)

通常、タップ穴は上部に付けられているが、大判の紙の下のほうに作画されている場合や、上下に作画があり、それぞれが離れている場合などに、上下、または下につけられるものをこう呼ぶ。

デジタルにおいては取り込み時にズレが生じる為に、1カット内のタップ穴はいずれか一カ所に統一されている。

実線(じっせん)

鉛筆で作画された主線。

初号(しょごう)

映画などで、公開用として一番最初にプリントされたフィルム。

シナリオ

Scenario。脚本。

修正PAN(しゅうせいぱん)【撮】

キャラの演技などにより、納まりの悪くなったカメラフレームをPANすることにより、 修正すること。つまり、フレーム修正するためのPAN。

※PANのいろいろ参考

白コマ・黒コマ

視覚で見えるか見えないかの1コマ2コマの画面全体を白、または黒にすることによって、視覚的衝撃を与える方法。爆発などによく使われる。

白黒以外の画像を挟む場合、サブリミナルと指示されることがある。

白箱(しろばこ)

通常、編集室から上がって来た作品の最終映像を納めた媒体。以前はビデオテープが主であったが、近年はDVD-Rが多い。

本来、市販品ではない、映像が入った媒体を言うらしい。映像にはタイムコードが入っており、映像チェックや、作品の世界感を伝える為にスタッフに渡される。

スーパー【撮】

多重露光撮影の一つ。スーパーインポーズの略。

ダブラシとはことなり、適正露出を二度以上重ねて、一つの画面に他の画面を重ね合わせること。

露出オーバーとなるため、重ねる素材は明るく見える。

雨・光・露・雪など。

素材の色によって、透け度合いが変わる。素材が白であれば、露出が強くなるため、

ほとんど透けなくなる。

字幕などをスーパーというのは、この技法からきている。

nomal.jpg  super.jpg
  セルのみ           スーパー

スケジュール

Schedule。

その作品の予定表。プロデューサー、デスクが全体のスケジュールをたて、制作が各パート、各話数の細かいスケジュールをたてる。

そのスケジュールに沿って、作品が動いていく。

ただ、編集、アフレコ、ダビングなどの作業スタジオを借りる予定は固定しているが、作画アップ、チェックアップなどの予定はあってもないがごとしといっても過言ではない。

スタンダード

一つの作品の基本となるセルサイズのこと。 カメラワークがないカットのこと。

ストーリーボード

作品の流れをラフスケッチや文章でおおまかに描かれたもの。

イメージボードより具体的なもの。

ストロービング(ジッター)

人の目の動きや網膜の残像現象により、画像が振動して見えること。

動画の中割りの荒い時や背景の移動目盛りの荒い時に現れる。

ストロボ【撮】

マルチ・ストロボ効果。絵から絵へすーっと連続的に切り替わる技法。

1カット内で、O.Lを互い違いに連続で行うことによって、残像が残って動いているように見せる効果。

スポッティング

音と絵をあわせること。または、その手法。

通常、出来ている音に合わせて絵をあわせることが多い。

その場合、音のタイミングが描かれているスポッティングシートというものを見ながら、原画タイミングを合わせていく。

オープニングやエンディング、歌や楽器を演奏している場合などによく使われる。

スライド(SL)【撮】

スライディングの略。

セルや背景を引いて撮影する技法。

飛行機や、雲などによく使われる。

3D(すりーでぃ)

3Dコンピューターグラフィックス。

タテ・ヨコという2次元(2D)だけでなく、奥行きも加えられた立体的な画像のこと。

制作(せいさく)

1)制作部署のこと。

 プロデューサー、制作デスク、制作担当、制作進行、設定制作、制作事務などがある。

2)制作進行のこと。

 作品のスケジュール、カット回収からカット管理をし、放映までの一連の進行の責任者。

3)作品を制作すること。

制作会社(せいさくがいしゃ)

アニメーションを実際に制作している会社。

製作会社から直に依頼を受けている会社を元請け会社という。

社内だけで制作が出来ない場合、他制作会社にグロス出しという形で更に発注する。

その場合、制作協力としてテロップされる。

製作会社(せいさくがいしゃ)

作品を企画・立案し、制作する権利を有し、製作費の出資を行っている会社。

映画配給会社、広告代理店、出版社、テレビ局などが相当し、メディアミックスによる二次使用料を受け取る権利を有している。

衣がつくだけで、意味が違ってくるので注意。

制作進行(せいさくしんこう)

通称、進行。

作品の進行が円滑に進むように、すべての部署のつなぎ役をし、そのスケジュール管理をする。

1話数単位で受け持つことが多い。

具体的な例をあげると、スケジュールをたて、そのスケジュールに従って、原画マンの手配、各打ち合わせの調整、物資の運搬、上がりの回収・戻し、演出・作監・編集・色指定・背景・撮影等の連絡調整、設定・資料の用意、などの様々な業務を行う。

すべての部署の受け持ちのため、24時間勤務とも言えるが、だからこそ、休む時間をとるなどの要領のよさと体力が要求される。

しかしながら、進行を円滑にすすめられるかどうかで、作品の出来不出来に多少なりと関わってくる部署といえる。

声優(せいゆう)

CV(Character voice) などとも呼ばれる。

アフレコスタジオにおいて、キャラクターに声を吹き込む俳優。

現在においてアニメにおける花形職業。

就職希望者もおおいが実際にアフレコスタジオで流される映像は、線撮と呼ばれる線画がほとんどで、レイアウト撮、コンテ撮においてはキャラの動きなどが分かりにくいため、アフレコ台本のみで演技をしなければならないという現状、かなりの実力が伴う職業である。

セリフボールド

ボールド(2)参照

セル

セルロイド(Celluloid)の略。

作画されたキャラクターを色をつけて撮影するための透明なフィルム板。

初期には本当にセルロイドが使われていたためについた名前らしいが、近年ではアセテートフィルムが使われている。

しかし、現在では放送されているほとんどのアニメーション作品がデジタル作品で、サザエさんで使用されているのが唯一となっている。

素材としては、使われなくなったが、仕上げデータのことを現在も「セル」と言っている。

セル検(せるけん)【仕】

セル画検査の略。

仕上げが終わったセルをチェックし、間違いや塗り残しがないかチェックする人。

零号(ぜろごう)

映画などで、一番最初に確認用にカラーとなって全体をつないでプリントされたテストフィルム。

零号を試写して、問題がなければ、それは「初号」プリントとなり、関係者に披露される。

線撮(せんさつ)

スケジュール的に切迫している場合、アフレコを先行させるため、やむなく、作画素材を撮影し、音付け作業と作画作業を平行して作業する場合にとられる方法。

撮影素材によって、コンテ撮・レイアウト撮・原撮・動撮といわれるが、つまり色がつかない素材のことを総称してこう呼ぶ。

全セル(ぜんせる)

全面塗りのセル画のこと。

セル素材のみのカットのこと。